分析試料 (サンプリング)


 

1. 固体(塊状・板状・片状など)

 大きめの固体試料は、可能であれば小分けができる様にサンプリングをお願いします。主要成分の分析なら1片あたり数十~100ミリグラム程度、痕跡成分のみの分析なら1片あたり数百~2グラムが目安です。複数試料の分析を依頼する場合、それぞれ1片の大きさが不揃いなほど結果の信頼性が低下する傾向がありますので、ご注意ください。

 

 炭素・硫黄・酸素・窒素・水素以外の成分: (1) ICP発光分光分析等のための試料片 (最低2)

 ガス成分: (2) 炭素・硫黄分析のための試料片 (最低2)

         (3) 酸素・窒素分析のための試料片 (最低2)

         (4) 水素分析のための試料片 (最低2)

 

 依頼する成分にあわせて、上記(1)~(4)のように試料片を用意してください。試料測定でサンプルを消費するため、最低限の試料片ではエラーが生じた場合に分析結果が提供できません。例えば、(1)(4)のすべての分析が必要となる場合には、できるだけ12片以上の用意をお願いします。

 

 微量成分元素の定量結果に注目している場合などの特別な事情がある場合を除いて、提供する試料を合計した質量(. 600 mg)が同じでも、大きめな試料片 (. 100 mg×6) よりも、数多くの小さめな試料片 (. 30 mg×20) の提供があった方が、分析を実施しやすく、また最終的な報告値の確からしさの向上が期待できます(ここでの例は、イメージです。可能であれば事前にご相談ください。逆の場合もあり、例えば水素分析では、試料からの脱水素のおそれもあるため大きめの試料の方が望ましいです。)

 

 サンプリングの際には、分析成分による汚染を避けるよう、十分な注意をお願いします。このために、分析コアにおいて試料に手を加えることは極力避けつつ分析を実施する方針であることを、ご承知おき下さい。

 

 試料の量が少ない場合や、酸化しやすい場合、脱水素のおそれがある場合など、特別な注意を払う必要がある試料については、事前の相談をお願いします。

 

2. 固体(粉体・切削片など)

 粉体試料や切削試料であれば、任意の量を分析に用いることができるので、数百ミリグラム~数グラムをまとめて提供して下さい。提供できる試料量が少ない場合(数十ミリグラム未満の場合は特に)や、吸湿性がある場合など特別な注意を払う必要がある試料については、事前の相談をお願いします。また粉体試料や切削試料は、塊状・板状・片状試料に比べて酸化や脱水素のおそれが大きいため、特に注意をお願いします。

 

3. 薄膜

 ICP発光分析では、薄膜を分解・溶液化して測定します。試料量を秤量できないので、各成分の質量(μgまたはmg)を報告します。膜厚にも依りますが、1 cm×1 cm角を目安に、可能なら2片以上を提供ください。もちろん1点のみの分析も可能ですが、誤差の有無を判断できないため信頼性の低いデータになることをご了解ください。

 

4. 液体

 液体試料の場合、液漏れしない様に密封できる容器に入れて提供して下さい。溶媒の種類や共存成分の量など分かる範囲で、できるだけ詳しくお伝えください。